ライズ重日が今年ではなく3年後にあること

ユールとライズ

よく知られているように、ホビット庄暦には12か月に属さない日が存在します。
平年には5日、閏年には6日。そのうち2日が冬(ユール)、残りが夏(ライズ)です。
我々が普段使っているグレゴリオ暦では2月の日数によって閏を入れますが、ホビット庄暦はそうではないのです。

ホビット庄暦の閏年

ホビット庄暦の平年の夏には、夏至とその前後の計3日間が、12か月に属さない日となります。
一方、閏年なら、夏至の後をもう1日余計に入れてライズ重日と称するわけです*1
ライズ重日は盛大に祝うものとされていますから、これがどの年にあるのかを知ることはとても重要です。

さて、今年はライズ重日のある年なのでしょうか?
今年の夏至の日から来年の夏至の日までが366日であるかどうか、調べれば良いですね。この間には2016年2月29日が存在しますから、366日のような気がします。
あるいはもっと一般的に言って、ライズ重日が存在するのは、グレゴリオ暦における閏年の前年なのではないでしょうか?

日本における夏至の日

結論から言ってしまうと、この「ライズ重日が存在するのは、グレゴリオ暦における閏年の前年」は、実は誤りです。表を見てください(時刻はJST*2

夏至
2013 6月21日14:04
2014 6月21日19:51
2015 6月22日01:38
2016 6月21日07:34

今年2015年の夏至の日が22日であること、来年2016年の夏至の日が21日であることがわかります。来年2月29日が存在するのと差し引きされて、この間365日。平年です。去年がライズ重日だったのですね。

さて、先ほどの表のもう少し上の方を見てみましょう。

夏至
2000 6月21日10:48
2001 6月21日16:38
2002 6月21日22:24
2003 6月22日04:10
2004 6月21日09:57
2005 6月21日15:46
2006 6月21日21:26
2007 6月22日03:06
2008 6月21日08:59

2000年には、夏至JSTで6月21日10:48でした。1年間は365日と6時間弱なので、2001年、2002年、2003年と、夏至の時刻が遅れていきます。2003年にはついに日付を跨いで、22日04:10です。
ところがその翌年2004年には6月21日に戻っています。これは、2003年の夏至と2004年の夏至の間に2月29日が挿入されたことによります。
こうして、夏至は、

  • 4の倍数の年は、6月21日の午前中;
  • 4で割って1余る年は、前年よりも6時間弱遅い;
  • 4で割って2余る年は、前年よりも6時間弱遅い;
  • 4で割って3余る年も、前年よりも6時間弱遅く、その結果、6月22日になる;

を繰り返すことになります。

以上を総合すると、

  • 4の倍数の年(2月29日が存在)、夏至の日は6月21日;
  • 4で割って1余る年、夏至の日は6月21日;
  • 4で割って2余る年、夏至の日は6月21日;
  • 4で割って3余る年、夏至の日は6月22日;

となって、4で割って2余る年にライズ重日が存在するのです。

もっと後の話

さて、ここまでの話を1セット繰り返すと夏至は約45分早まります。4年間は365日×4と23時間15分くらいなのです*3

2003年には、夏至JSTで6月22日04:10でした。4時間10分を45分で割ると、5と6の間。6セット繰り返した2027年には、4で割って3余る年の夏至の日は6月21日となります。
また、2000年には、夏至JSTで6月21日10:48でした。10時間48分を45分で割ると、だいたい14。2056年頃には、4の倍数年の夏至の日は6月20日となります。
……と、25セット繰り返すとほぼ1日分のずれが溜まって、2月が28日しか無い2100年を迎えるわけです。

  • 2022年まで、4で割って2余る年にライズ重日。
  • 2026年はライズ重日が無い。
  • 2027年以降2051年まで、4で割って3余る年にライズ重日。
  • 2055年はライズ重日が無い。
  • 2056年にライズ重日。

*1:つまり、ホビット庄暦における閏年とは、その年の夏至の日から次の年の夏至の日までが366日であるような年のことを言います。

*2:国立天文台のページから転載すれば良いんですが、年ごとにリンクを踏むのが面倒だったので、wikipediaから孫引き。

*3:この精度の話になると、1年の長さの年ごとのばらつきが無視できないので、以降の計算はちょっと怪しい。 http://www.neoprogrammics.com/sun/Northern_Summer_Dates_and_Times.html を見る限りでは、合っているように見えますが、特に2056年については微妙