『Bridge for Ambitious Players』のdeal 8が難しい件について
『Bridge for Ambitious Players』のdeal 8は、「squeezeって、ほかのプレイとは別種の技術だと思うんだよねー」という感じの書き出しで始まります。このsqueezeというのは、主にNTのための技術で、defenderを「何か捨てなければならないが、どれを捨てたとしても、declarerの得になってしまう」という状況に追い込むプレイの総称です。たとえば、
North (dummy):
♠ : A J
♥ : K
♦ : --
♣ : --
に対して、
West:
♠ : K Q
♥ : A
♦ : --
♣ : --
がNorthの上家(右隣)に座っていたとしましょう。このとき、手番はSouthにあって、
South:
♠ : 2
♥ : 2
♦ : J
♣ : --
という手札だったとすると(ただし、♦Jは♦最後の1枚とします)、このときSouthが♦Jを出せば、NorthはWestが何を捨てたのか見てから捨てられるので、N-Sは3回とも勝てる、というのが典型例です。Westは♠と♥の両方を守らなくてはならない状況に追い込まれています。
私はこのdeal 8の書き出しを見て、「ああ、squeezeを採用するかどうかの判断基準でも書いてあるのかな」と期待した*1のですが、この本がそんな甘い期待に応えるわけがありませんでした。そもそもこういう典型的squeezeではなく、もっと高級なsqueezeだったのです……!
North:
♠ : 9 7 5 3
♥ : A 8 5 4
♦ : A 9
♣ : A Q 2
South:
♠ : A K 2
♥ : K J
♦ : K Q 6
♣ : K J 5 4 3
Declarer: South
Contract: 6NT
Opening lead: ♠Q
ぱっと見てわかることは、
- 2+2+3+4=11 tricksは確実に取れる
- ♣の5th trickは、残り5枚の分かれが最悪でない限り取れる。11+1=12で達成!
- 事例として取り上げられているのだから、当然、そんなに簡単に達成できるはずがない
- ♥Jのfinesseが利いた達成!
- そんなに簡単に達成できるはずがない
WestとEastの手札も載っています。
West:
♠ : Q J 10 8 6
♥ : Q 9 7 3
♦ : 10 8 4 3
♣ : --
East:
♠ : 4
♥ : 10 6 2
♦ : J 7 5 2
♣ : 10 9 8 7 6
(4人の手札をうまく並べて見せる方法がわかりません……tableタグ?)
- 最初の♠QはSouthが取って、
- ♣を出す
- このとき、Westが♣を持っていないことが判明。多分♦が捨てられる。
ここから、どうすれば良いのでしょうか?
*1:squeezeという技術があるのは知っていても、それがどういうときに採用するべきものなのか、よくわかっていないので